日本の神話に遊ぶ

【日本神話】ー神世七代③物事の成就ー

矛盾対立を乗り越えた結果、事が為ります。

古の日本人たちはこの物事が成就する様から、角杙神(つぬぐいのかみ)活杙神(いくぐいのかみ)を見出します。

本記事ではこの角杙神(つぬぐいのかみ)活杙神(いくぐいのかみ)について触れていきたいと思います。

角杙神(つぬぐいのかみ)活杙神(いくぐいのかみ)

次に角杙神、次に妹活杙の神、

古事記

一般的には稲作をモチーフに神世七代が語られる為、宇比地邇神、須比智邇神が泥の神で、そこに縄張りを作る為に杭を立てる。

ここから角杙神(つぬぐいのかみ)、活杙神(いくぐいのかみ)は杭の神様と語られることがあります。

このブログにおける文脈から申し上げますとそれだけに止まらない事は、ご承知いただけるかとおもいます。

ではこの神々の御本質は如何なるものなのでしょうか。

「角ぬぐ」は芽吹くと同じ意味で、物そのものが成り立つ様を言います。

角杙神(つぬぐいのかみ) は物ができあがって行く力を性質とされる神様、そして活杙神(いくぐいのかみ)はその物に活力がみなぎる様、内容・品質が充実していく力を性質とされる神様です。

矛盾対立を乗り越えて、物事が成就する様を象徴した神々。

文字通り「芽出度い」神々ですね。

神道の持つ上昇史観にも関わりますが、日本の神話は「対立」「矛盾」「苦悩」で終わらず、これらを材料として物事が新しいレベルで成り立つ、これが神々の誕生の際に良く出てきます。

「生」と「死」の矛盾から、穀物が産まれたり、剣の神々が産まれたりする話を紹介していく予定ですが、神世七代の神々を念頭に置けば、深読みできるのです。

神道においてこの神々の存在により対立の先には絶望ではなく、希望がある事を示唆してくれているのです。

鹿の角の例え

先般、お参りさせて頂いた春日大社でも鹿が沢山いましたが、角杙神(つぬぐいのかみ)のご神徳を以って、雄々しく勇ましい角を持っているものも居ました。

そして雄々しく勇ましいと感じる理由は、角杙神(つぬぐいのかみ)が形を整え、それを器として、活杙神(いくぐいのかみ)が、活力、生命力など躍動する力を賦活せしめたからなのです。

但し物が為る様は、果物であれば不揃いであったり、家であれば傾いていたり、成り立つ力は「正しさ」、「あるべき姿」とは無関係に無限に広がりを見せる。

即ち矛盾対立を幾らでも取り込んでしまいます。

事物が成り立ち、それがどう言う風に落ち着けば良いのか、これが次の代の神々の登場を待つ必要があるのです。

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神田 哲拓
神田 哲拓
神道ブロガー。神道研究で得られた智慧の共有をモットーに、神社や神道記事を執筆しています。 神社大好き人間(神社検定壱級)兼 大家さん(現在戸建1戸+宅建士)兼 サラリーマン。 神道研究とフォルクローレに没頭したい。あはれ、 あなおもしろ、 あなたのし、 あなさやけ、おけ。我が信ずるところに従いまして言の葉を紡ぎます。
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