日本の神話に遊ぶ

【神道の要諦】別天津神・神世七代論

本記事において、別天津神と神世七代についてのむすびを行いたいと思います。

難しく感じますが、良く理解して頂けるように後段は具体的な例を以って述べて行きます。

別天津神ー天御中主神ー

【日本神話】ー世界のはじまりと神々ー」 で、世界は天御中主神そのものであって、天御中主神の理解が神道の要である旨を書かせて頂きました。

しかしながら身を隠された神であるので、現実世界の解釈を通してしか研究できないのです。

我々の魂、精神、心が目に見えず、身体の動きや言葉を観察し、その人の全人格を把握しようとするのと同じです。

世界を大宇宙とすれば、人間(存在する者すべては)は小宇宙であり、小さな天御中主神とも解されている為、この世界の性質、すなわち天御中主神を知ろうと思えば、小さな天御中主神がお働きになっていると確認できる対象を研究すれば良い事になるのです(あらゆるものが天御中主神の表現、あるいはそのものなので、研究材料に事欠くことはないと思います)。

天御中主神論ー世界の本質ー

古事記は、我々の先祖が天御中主神の性質を解き明かそうと試み、その成果の記録とも言えます。

故に神道の要諦を掴む為に古事記は欠かせないと言う事になるのです。

さて「【日本神話】ー世界のはじまりと神々ー」の後段では、高皇産霊神(タカミムスビノカミ)と神皇産霊神(カミムスビノカミ)について考えました。

産霊とは物事が成り立つこと、意義付けする事、愛する事等の意味がありますが、高皇産霊神(タカミムスビノカミ)と神皇産霊神(カミムスビノカミ)はこの力を司っておられます。

この二柱は天御中主神と独神であり、天御中主神の次に成りませる神々である事から、天御中主神の本質に近い神々と解釈できます。

従って世界は、産霊に貫かれていると言う事ができるのです。

分かり易く言うと、世界は創造に溢れている。破壊や消滅等を本質としていないのです。

思えば、自分もこの世界に文字通り生まれてきて、知らず知らずのうちに創造を行っている。

音楽もすれば、思考もすれば、このブログも書いています。

これらはすべては消滅の為にやっているのではなく、天御中主神の御神意に沿った事、つまり創造をやっている事になる。

自身が産まれてきたと言う一事を以ってして世界は創造を原則としている事がわかります。

これが神道の基本的な世界感であり、神道を語る時に感じる明るさ、上昇史観や積極性の正体なのです。

産霊過程論ー神世七代ー

世界(天御中主神)は物事が成り立つ、創造される事、すなわち産霊が本質であることは分かった。

では、その産霊とはどうやって起こり、どうすれば成立したと言えるのか、この過程が神世七代の神々によって表現されています。

【日本神話】ー無限を祝福する神々ー」では、産霊の第一の性質について考える事になりました。

とにかく、創造は無限に広がりを見せる。Aを作ったけれども、これを改善してA´にしようと欲する。

これに飽き足らずAよりも優れたBを作る。さらには、今は実現できない物でも創造できないかイメージを膨らませます。

この事は人間社会の科学技術の発達を見るだけですぐに理解できます。

ちなみにですが無限と言う性質は、別天津神として天御中主神、産霊神と同じ括りにされていますので、天御中主神の本質に近いのかもしれません。

さて我々は、無限に産霊を想起できるのですが、それだけでは現実的な力が乏しい。実際の産霊を達成するには有限を意識する必要があります。

その事について考えたのが、「【日本神話】ー神世七代①有限を祝福する神々ー」になります。

有限を意識するとは、産霊・創造する範囲を確定すると言っても良いかもしれません。

【日本神話】ー神世七代②矛盾と努力ー」では、具体的に産霊を行おうとする時に生じる摩擦について考えています。

いざ産霊を行おうとしても色んな矛盾、障害が発生する。

Aを作ろうと思えば、頭を使い、手を動かし努力が必要となるのです。

現状と言うありのままでも良い状態に対し、積極的な作為を起こす事は矛盾した行動と言えます(本来はわざわざ波風を立てる必要はない、積極的に苦労する必要はないのです)。

そして時には、「火」と「水」の様に互いに打ち消し合う強烈な矛盾を受け入れなければならない。

矛盾は産霊を行う際の大事な要素の一つなのです。

この矛盾を乗り越えた先に物事が成立する兆しが見えます。

それが、「【日本神話】ー神世七代③物事の成就ー」で取り上げた内容です。

矛盾を超克し、矛盾を利用し、矛盾を活かす努力の結果、形が備わり、その形に呼応して一定の品質が備わるのです。

しかし、それは本当に物事が成り立ったと言えるのか。

もっと、改善の余地がないかもっと矛盾取り込んで品質は上げられないか。

その為にその物事が多少の困難、矛盾に出会ってもビクともしない大きさ、豊富さ、度量の深さが必要なのです。それが、「【日本神話】ー神世七代④物事の拡大ー」で見てきた内容です。

あらるゆ矛盾を必要なだけ消化した先に、誰もが驚くような品質を伴った物事の完成をを見ます。

物事が完成すると言う事は、驚かせるくらいの品質が必要だと言う事でもあります。この事を 「【日本神話】ー神世七代⑤物事の完成ー」で詳しく見てきました。

ここまでの過程を見ると産霊とは大変な作業だと言う事が判明します。

しかし、産霊の完成に向き合わせる、あるいは、やる気にさせる主観的な作用がこの世界には存在しています。

冷厳な物事の成立要件に対して「【日本神話】ー神世七代⑥産霊と愛ー」で考えた様に人間の場合、愛と言う形で表現される産霊を助ける力も存在するのです。

産霊の具体例

神道は産霊を重要視しているのですが、思弁的、観念的な方面にのみ広がって行くわけではなく、現実とは離れず具体的な現象として落とし込むことができます。

この項では、上記産霊過程論の具体例を見て行きたいと思います。

資格勉強

これは私が最近経験した事になりますのでより具体的だと思います。

産霊の過程対応する神々
自己啓発・スキルアップしたい高皇産霊神・神皇産霊神
読書?資格?色々あるが宇摩志阿斯訶備比古遅神・天之常立神
管理業務主任者資格を取ろう国之常立神・豊雲野神
仕事終わりに勉強辛い、でも・・宇比地邇神・須比智邇神
理解できた角杙神・活杙神
理解を深めるために問題集意富斗能地神・ 大斗乃弁神
試験に合格できた淤母陀琉神・ 阿夜訶志古泥神
合格した時の事を考えた伊邪那岐神・伊邪那美神
同い年の同僚が応援してくれた伊邪那岐神・伊邪那美神

こうして反省してみると私の中で、あるいは外で神々が活発にお働き頂いた事がわかります。

どの神様が欠けたとしても産霊が達成できないのです。

万事、産霊はこの表にあてはめできると思いますので目標達成の設計図としても活用できるかもしれません。

この別天津神と神世七代の神々への理解内容が、神道の要諦になると言っても過言ではないと思います。

本記事や他の記事を参考に古事記を味読して頂くと、沢山の発見があるかもしれません。

貴方にも別天津神、神世七代の神々のさらなる祝福がございます様に。

ABOUT ME
神田 哲拓
神田 哲拓
神道ブロガー。神道研究で得られた智慧の共有をモットーに、神社や神道記事を執筆しています。 神社大好き人間(神社検定壱級)兼 大家さん(現在戸建1戸+宅建士+管理業務主任者)兼 サラリーマン。 神道研究とフォルクローレに没頭したい。あはれ、 あなおもしろ、 あなたのし、 あなさやけ、おけ。我が信ずるところに従いまして言の葉を紡ぎます。
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