祝詞

祝詞とその分析方法【祝詞マスターの道】

祝詞を神々に奉げる事は神職の専売特許な感はありますが、我々一人一人も神々と直接連絡する事は誰も否定できません。

ですから、無階位の人であっても祝詞に親しみ、神々に奉げ、時には作文しても良いと考えております。

祝詞は神々に対して、自らの思いを伝える手段ではありますが、要するに昔の日本語なので勉強研究する必要があるのです。

この記事では、祝詞の分析方法を考えて見たいと思います。

祝詞総論

自分の「意」を表するには「形」を伴わせる必要がある事を下記の記事で反省しました。

祝詞もまた「形」であって、「意」を文章を以って神々に表白する手段になります。

「形」には「意」を込めるのはもちろんですが、「形」は、その形式が定まっていて、適当に作ったものに「意」をのせるわけではありません。

気持が大事だ、それだけで形はどうでも良いと言う意見は良くわかりますが、形を整える事が面倒くさい故の言い逃れとも取れます。

自分の気持ちを形を整えてお伝えするのも気持ちの中、神々に対して尊崇の念があればこそ、伝え方もこだわりたくなるのが自然ではないでしょうか。

祝詞は神々に対する表白ですので、尊貴なご存在を前提にする為、荘厳さであるとか、その荘厳さを担保する為に「古雅」が求められたりします。

「ありがとうございます」も「かたじけなみまつる」と言った普段使用しない言葉遣いをします。

同じ日本語なのですが、古さ故に研究を要する。即ち理解の為の分析が必要になってくるのです。

どう言った「意」を込めるのかを祝詞(「形」)から考える事と「意」をどのような「形」に仕上げて表白するのか、この二つの違った視点で祝詞を研究して行けるかと思います。

私の場合は、階位検定試験に挑戦したいと思っていますので、その科目の一つに「意」をどのような「形」にしていくのか、すなわち祝詞作文があるので、猛烈に勉強する必要があります。

先人の築け上げた以上の祝詞の形式を今現在作れるとは思っていませんので、やはり先人が築き上げた伝統的な形式による「形」作りにこだわって勉強していく方針です。

本記事ではその試験の参考図書、「稲村眞理・著『祝詞作文』神社新報社」を参考にしております。

しかし、将来祝詞も発展して行き、伝統的な形式とは違った新しい形式が現れるかもしれませんね。

祝詞の種類

祝詞には色々なものがあるのですが、その祝詞には必ず奉ずる目的があります。

従って祝詞は目的によって下記の通り分類できるのです。祝詞分析のとっかかりとなります。

種類名(祝詞)     目的
1奉賽 神々に対して感謝する祝詞。
2祈願神々に対してお願いをする祝詞。
3申告神々に対して報告、事実お伝えをする祝詞。
最近スピリチュアル界隈にて、社頭では祈願ではなく、宣言した方が良いと言われる事ありますが、それはこの祝詞に重点を置くべきと言っている様に考えます。願いだけ祈念する事は、自分本位、他力本願であって成長が無く、低次元な波動と共鳴してしまうからと言う理論構成。
4祝頌神々に対してお祝いしたい事があった旨を伝える祝詞。
それだけポジティブな出来事があったのであれば奉賽祝詞とも近似してくると思います。
5鎮斎上記、『祝詞作文』では説明が判然としません。曰く「祝頌の一部」とされています。管見によれば神々をお慰めする。許可を得る祝詞と定義した方がすっきりするかと(祈願祝詞の一種)。
6葬祭人間の死を悲しみ、葬る祝詞。

上記、分類は祝詞の構成や形式とは関係のない分類です。

(暗記法:奉・祈・申・祝・鎮・葬(祭)=箒、伸縮して鎮め祭りする)

「いつもありがとうございます」も目的の分類から言えば、奉賽祝詞ですし、「宝くじが当たりますように」は、祈願祝詞です。

一応は意を形で以って表白しているからです。

しかしながら、本記事の立場、方針から言えば、祝詞は伝統的な構成、古体文章に改めて完成と言えます。

上記分類の意義としては実際に祝詞を起案するに当たって、主意を固める際に便利になる事かと思います。

章句の分類

さらに祝詞を分析すると章句の分類ができることが判明します。

章句の配列によって文章となり祝詞が成り立つのです。

章句も上記、祝詞の種類と同様に伝えたい内容、目的により分類されています。

種類名(章句)目的・用例
1起首
(発端拝詞句)     
ある神様に誰が祝詞を奉るかを述べる。
最初の挨拶文。手紙で言う「拝啓」。
(掛けまくも畏き、〇〇大神の大御前に〇〇畏み畏み申す)
2結尾
(結尾拝詞句)
祝詞の結びに置く章句。終わりの合図。手紙で言う「敬具」。
(畏み畏みも白す。)
簡単な祭儀の場合、(〇〇、畏み畏みも白す。)と結尾章句に奉仕者の名前を持ってきて、起首章句では言わないケースがある。
3神徳神様の御霊徳と御事績を述べる。
(我が大神の御恵)(大神の恩頼)と抽象的な表現もされるが具体的な御神徳を述べることも勿論ある。
この章句の後に感謝章句が続く事が多い。(大神の恩頼を<辱みまつりて>)
4由縁祭儀の趣旨を述べたものが一般的。
(遠き古より追儺祭りとひいて・・・禍鬼どもを追ひ遂ふ式・・・)、また物事の由縁を述べるものもこの章句に分類される。「〇〇の神が○○をした故に」等が典型。その為、神徳章句と重なるケースもある。
5感謝神々に感謝を述べる。
(辱みまつりて)先の神徳章句の用例の通り、御神徳を述べた後に、この章句が来るのが定番。
6装飾本殿、神門等、神社設備を飾った様子を述べる章句。
(小竹取り添えて御門に挿し立てて・・・)
奉仕章句と近似。
7奉仕奉仕者の動作を述べる。
(大前に斎まはり、清まはりて)
神社設備を飾り立てる事も大枠としてみると奉仕章句とも言えるが、この章句は動作そのものに着眼しての分類と思われる。装飾章句と互換される場合もあり。
8献供神々に献上する物を述べる。
(大前に御饌、神酒、種々の物ら献げまつりて)
奉仕章句との関係で言えば、献上する動作ではなく、献上物を述べるのであるから、当然分類を分かつ。
9祈願神々に対し祈願を述べる。
(大宮を静宮の安宮と、長久に静まり坐せと)
10祝頌神々や天皇のお祝いを寿ぎを述べる。
(御賀の御祭仕へまつると)

祝詞の目的とこれら章句との関係は言わずもがな明瞭かと思います。

祈願祝詞であれば、祈願章句は必須ですよね。因みに構成は下記の順番が一般的。

  1. 起首章句
  2. 由縁章句 (または神徳章句+感謝章句)
  3. 献供章句
  4. 祈願章句 (または祝頌章句)
  5. 結尾章句

お祭りの大小軽重に合わせて他の章句を追加したり削除したり、作り手の意思が反映されます。

次に分析を進めると、「単語」に行きつき、これを修飾する言葉や修辞法等も祝詞研究の範疇になってきます。

また、宣命書と呼ばれる独特な表記法を取るため、万葉仮名の勉強も必要です。

これらについては、有名な祝詞を紹介しながら随時やっていければと思っています。

この記事ができあがる前に、大祓詞と神社拝詞の記事を上げていますが、「意」の部分の分析のみで、本記事で言う「形」の研究には及んでいません。

特に大祓詞については、まだまだ意の部分も尽くせていないので随時改訂していきたいと思います。

ABOUT ME
神田 哲拓
神田 哲拓
神道ブロガー。神道研究で得られた智慧の共有をモットーに、神社や神道記事を執筆しています。 神社大好き人間(神社検定壱級)兼 大家さん(現在戸建1戸+宅建士+管理業務主任者)兼 サラリーマン。 神道研究とフォルクローレに没頭したい。あはれ、 あなおもしろ、 あなたのし、 あなさやけ、おけ。我が信ずるところに従いまして言の葉を紡ぎます。

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