神道小話

神社の変遷ー神籬から建物へー

神霊のまします、場所として神社が当たり前になっていますが昔は、神聖な樹や岩にお祀りの時にお招きするのが通常でした。

神霊の依代ー古代から現代ー

「神社」とは神霊が鎮座する施設を言います。

その場所にいけば神霊が常在していていつでもご挨拶できと考えるのが一般的ですが、昔はその様な考え方ではなかった様です。

季節で言えば春や秋。降臨される場所は定まっていたのですが常にそこに神様がおられたわけではなかったのです。

榊や杉などの常緑樹などを神籬(ヒモロギ)と言って神様が宿る依代とされていましたし、同様に磐座(イワクラ)と呼ばれる岩石も神々が宿られる特別な物だとされています。

(これに関連してクリスマスツリーも聖樹とされていて比較宗教学的に興味深いテーマです。)

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日本最古の神社とされる大神神社。山そのものが禁足地とされていて近年登拝することが許されるようになりました。神体山には沢山の磐座を拝見することができます。「大物主神と大神神社ー神奈備三輪山ー」に磐座の事にも触れていますので参考にして頂ければ幸いです。

それがいつの間にか、人々が定住するようになり、神々の降臨される場所も人間の生活圏内に近くなって行きました。

時に、合祀や分祀等我々の都合でお遷り頂くこともあり、社格(神社の格)も時の権力者によって定められる等、神社のあり方は人間本位で移り変わっています。

これを発展と捉えるのか、神道の原初形態の破壊と捉えるのかは、難しい所ですが、先祖たちは神々を敬い或いは近くにその存在を感じたいと思った結果なのかもしれません。

ちなみにですが、日本人は農耕を主としてきたので、神社で行われるお祭りも、豊作か凶作を占う意味が込められたり農耕に関わることが多いです。

ですから田んぼに神籬を立てて神様をお招きすると言う事も行われています。

神社の御祈祷を受けその対価としてお支払するお金を初穂料と言いますが、この言葉も稲作が生活の中心にあった事と深い関係があります。

神社に鎮座する神々に対しては、作物が豊作であった事や先祖(神々)への感謝をささげる為に稲穂を捧げるこれが初穂料の原型だったのです。

さて、田んぼや山の中に神様をお招きしていたのですが、神社と言う形で神霊に降臨していただく建物、神社が登場します。

現在沢山の神社で見られる形式は基本的に①本殿、 ②拝殿 ③幣殿がくっついた格好でそれぞれに役割があります。

  1. 本殿:神様が宿る依代が安置されている場所で基本的に立ち入らない神聖な建物です。
  2. 拝殿:我々が参拝する時、この拝殿の側に賽銭箱が設置されています。この建物の中で祀職の方がお祀りをされたり、時として昇殿参拝させて頂くときに我々が入らせて頂く部分。
  3. 幣殿:本殿と拝殿の間にあるスペース、供物をお供えする場所。

一度神社に行かれた時に外から眺めるだけでもすぐにわかると思います。

神社の建築もだんだんと仏教の影響などを受けて、素木の素朴な造りから、華麗な社殿も見られる様になります(日光東照宮とかすごいですよね)。

そして祀られる神様も時代が下るにつれて、神典に登場する神々以外にも人格神(偉人や功労者)がお祀りされ、その功績にあやかり、成功・成就を求めて参拝をする人々も増えました。

この様に神社(神霊の鎮座する場所)は、原始的な形態から時代の流れと共に多様化して行きました。

今後、技術が進歩する中で、生活が革新的に変わった場合、神社もこれに伴って変化が起きるかもしれませんね(是非はどうであれバーチャル神社が出てくるかもしれません)。

しかしながら「依代」=神籬に降臨される事が前提であり、何かに降りてこられるのは通底している様に思いますね。

神々が降臨される「場」が様々に変わったとしても神々を慕い敬う気持ちががある限り神霊は弥や栄え、ひいては神道も人々を導いていく事でしょう。

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狐平太
神道ブロガーの「狐平太(こへいた)」です。日本人の霊性を取り戻すをモットーに神道に関する記事を執筆しています。 記事執筆の傍ら神社本庁の神職階位である「権正階」の検定試験の独学合格と司法試験・予備試験の合格を目指しています! あはれ、 あなおもしろ、 あなたのし、 あなさやけ、おけ。我が信ずるところに従いまして言の葉を紡ぎます。 令和元年神社検定壱級合格!

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