神道神学

組織神学ー神道理解の地図ー

神道が難しいと感じてしまうのは、分析の為の方法論があんまり知られていないからなんです。つまりは分析方法が分れば、神道の事が身近に分かり易くなると言う事!

今回は、神道神学の核となる組織神学を紹介します。

1.神道理解の為の組織神学

神道を考える時に組織神学と言う思索の為の枠組みが大変役にたちます。

これは、上田賢治と言う神道学者が提唱した宗教学を用いた神道理解の方法です。

もともと神道では言挙げは慎むべき事とされており、これを文字通りに解せば「ゴチャゴチャ言わず心で感じなさい」と言うことになります。この事は祭祀が最も重要視されてる点からも明らかですね。

しかしながら、頭で思考し言語化する事は、第一に「万葉集」が古より現代まで伝えられてきた事実、即ち和歌で以って時には鬼や神を泣かせてきた事、第二に「祝詞」を以って神と人との交通を助けてきた事を考えると、あながち言葉で神道を語ることも許されるのではないかと考える事もできます。

ですから「組織神学」は八意思兼神(ヤゴコロオモイカネノカミ)のご神徳を以って神道を解き明かす試みであり、私は神道に対する非常に重要な接近方法だと共感しております。折角先達が見つけてくれた知恵、是非有効活用したいではありませんか。

組織神学では神道理解の為に下記の通り研究領域を分けます。

  1. 「神」=信仰の対象は何か
  2. 「世界観」=神道は世界をどう理解するのか
  3. 3.「人」=信仰の主体たる人をどう理解するのか

この様に、神道の要素を大まかに整理すると言語での理解研究が深められます。言語理解すると言うことは、即ち神道に興味がない或いは価値が見いだせない方々に「理解」を促す知識体系を構築すると言う事にもなります。

神道の道を歩む者にとっても所謂「審神者」となる為の知識整理の枠組みにもなり、神秘体験談に踊らされず、神道の奥義に到達する必要不可欠な概念です。

神の言葉が聞ける巫覡(フゲキ)や巫女の言葉を100%にしてしまうと、主体的信仰は樹立できない可能性がある。命もち(ミコトモチ)、一人一人の主体性を説く神道とは逆行している気がして仕方がないのです。

もっとも、知識の深化と同時に古伝行法を以って神人合一を果たそうとする玄學を否定しているわけはありません。思索により神道理解の道もあるだろうと考えるわけです。

2.「神」「世界」「人」の要諦

一定の到達点として上記3つの要素は下記の通り理解されています。全論点を記載するわけには行かず多少乱暴なまとめ方になっていますので、詳しくは上田賢治著『神道神學』神社新報社をご一読ください。

 : 本居宣長の定義を引用し、「尋常ならずすぐれた徳のあ」るものを神だとしています。悪い作用であれ良い作用であれ、働きが旺盛なものを神であると。

因みに 『神道神學』 においてキリスト教の創造主としての神と世界が既にあり、その前提で現れた神道上の「生れる神」「成る神」の対比論が展開されています。

世界: 今我々が生きている中津国は「天壌無窮の神勅」からして天皇陛下が祭りを執り行うことで、弥栄が担保された世界=上昇史観とされています。所謂キリスト教の「最後の審判」、仏教の「末法の世」或いはこの世からの「解脱」が最終目的としている等現世に価値を見出さない考えと真逆な点が特徴。

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この世で栄える事を決して否定していないわけですから、自分の理想を今生で実現し天益人として、中津国の弥栄に参加して行きましょう。それが許されていて、むしろ推奨されているのですから。

神道における組織神学研究の最高到達点が上田賢治著『神道神學』なのか、日進月歩、学問は深するので現時点ではわかりません。しかしながら組織神学の出発点になる本だと思います。

神とは、世界とは、人とは、哲学的な問いですがこれを神話を手掛かりに答えを出そうとする営み。神道生活において刺激になりますよ!

(神話を抜きにこの3点を考える作業を哲学と呼ぶのでしょうが、今の私の研究生活においてはこの純粋哲学?は横においてます。今のところは他の研究者にお任せしたいと思いますので。)

ABOUT ME
神田 哲拓
神田 哲拓
神道ブロガー。神道研究で得られた智慧の共有をモットーに、神社や神道記事を執筆しています。 神社大好き人間(神社検定壱級)兼 大家さん(現在戸建1戸+宅建士)兼 サラリーマン。 神道研究とフォルクローレに没頭したい。あはれ、 あなおもしろ、 あなたのし、 あなさやけ、おけ。我が信ずるところに従いまして言の葉を紡ぎます。

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